困っている人を助けないイメージがついている
「都会の人は、困っている人を見か
けても助けない。
周囲に対して無関心の冷たい人々だ」。そんなイメージをもたれるのはなぜでしょう。
多くの人がいながら困っている人を助けないのは、非常に冷たい印象がします。
しかし、心理学的にはむしろ、まわりに多くの人がいるほうが、困っている人を助けなくなることがわかっています。
困っている人がいても、まわりの誰もがそれを放置していると、「誰も助けようとしていないし大丈夫だろう」
「自分も同じように行動しておこう」「自分だけ目立ちたくない」といった意識が働きます。
その結果、多くの人がいるのに誰も助けないということになるのです。
つまり、多くの人がいることで、一人ひとりの責任感が薄れてしまっている状態です。
これを「 傍観者効果」と言います。
東日本大震災後は、助け合う都会の人々の姿がニュースでも度々取り上げられました。
「都会の人は冷たい」という印象も、少しずつ変わってきているのかもしれません。
WORD 傍観者効果…事件や異常事態が起きても、自分以外にも傍観者がいるときは積極的に行動しよう としないこと。
傍観者が多いほど、この傾向は強くなる。
PART 1
日常 「都会の人は冷たい」は本当か
豆知識
「人を助ける心理」について、本格的 に研究されるきっかけとなった事件が あります。
それが、1964年にニュ ーヨークで起こったキティ・ジェノバ ーズ事件。
女性が暴漢に襲われたとき、 目撃者や叫び声を耳にした者が多数 いたにもかかわらず、誰も警察に通報 しませんでした。
その結果、残念なが ら女性は死亡してしまい、マスコミは 「都会の人は冷たい」と大きく報道し、 注目を集めました。
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