子どもの頃、あ こがれのヒーローやヒロインの真似をした人は多いでしょう。

自分にとって理想的な対象を見つけ、その行動・服装・表情などを真似ることによって、その相手と一体化した気持ちになることを、
心理学では「同 一化」と言います。

もちろん、子どもに限ったことではありません。

好きな有名人の言動やファッションを真似したり、映画の登場人物と自分を重ね合わせたりするのは、大人にもあることです。

あこがれは、裏を返せば自信のなさや劣等感のあらわれです。

理想的な相手と同一化することは、「こんな自分はダメだ」という、現実の自分に対する不安や否定を取り払い、
安心感や自信を生み出します。

また、私たちは身近な人とも同一化しています。

生まれて初めて同一化する相手が、自分の親です。

親との同一化によって、社会に適応する力や価値観、男らしさや女らしさを身につけます。

さらに、親しい友達同士で考え方や雰囲気が似てくるのも、同一化によるものです。

つまり、自分らしさの中には、たくさんの人の存在が隠れているということです。
WORD
同一化…自分にとって重要なものと自分を重ね合わせることで、同じ傾向を示すようになること。
PART 1

ヒーローにあこがれるわけ
あなたにライバルがいた場合、 相手を憎むのは得策ではありませ ん。
「その憎い相手に勝てない自 分は何 !? 」と、マイナスな気持ち が自分自身に向かいます。
あえて 同一化し、相手のよさを取り入れ ることが、乗り越える近道になる かもしれませんよ。