カメラを向けられると「他人の目」を意識します。
それと同時に、「他人の目を通した自分」も強く意識させられます。

社会学者クーリーは、これを「鏡映的自己」と呼びました。
「自分とはどういう人間か」を知るには、他人の存在も重要です。

例えば、「私はやさしいタイプ」と思えるのも、まわりの人の存在があってこそ。

友達を気遣ったときに喜んでもらえたり、周囲から「あなたってやさしいね」と言われたりすることで、「自分はやさしい」というイメ
ージをつくるのです。

私たちは、自分自身を常に意識しているわけではありません。
意識するのは、カメラを向けられたときや、大勢の前に立ったとき、まわりの注意が自分に向いていると感じたときなどです。

このとき、「他人からこう見られたい」という理想が高い人は、現実の「自分」を強く意識させられる状況に耐えられず、
その場を逃れたくなります。

つまり、カメラや写真を嫌がる人は、理想と現実のギャップを大きく感じている人。

自分のことを誰かに見られることや、客観的に見つめることを避けるタイプだと言えます。