例えば、自分の同級生が有名になり、テレビに出るようになったら、
「私、あの人と知り合いなんだ!」と、つい言いたくなりませんか?  

高い 評価を得ている人と自分を関連づけることは、自分への評価を高めるこ
とにつながります。こうした心の働きを「栄光浴」と呼びます。「すごい人と関係がある自分はすごい」というわけです。

また、栄光浴とは逆に、よくない評価を受けている人と自分との間に距離をつくることもあります。
例えば、応援している野球チームが優勝
したときは「私が 応援していたチームが優勝した!」と自分のことのように話すのに対し、
大敗したときは「最近、あのチーム弱いんだよね」
などと少し遠ざけた言い方をすることがあります。

こうしたことは、他人からの評価や自信を失いたくないという心理から起こります。

このように、他人から見た自分の印象を操作することを「自己呈示」と言います。

お世辞を言って誰かに取り入ろうとしたり、セルフ・ハンディキャッピングをしたりするのも、自己呈示の一種です。

人は、自分の立場をよくするために、意識的または無意識的に自分を「演じて」いるのです。