怒りには、原因となる感情が隠れています。

自分では意識していない場合でも、「出来事→ある感情→怒り」のように、何らかの感情が先にわいているのです。

なぜ、怒りがわいてくるのかというと、自分の期待どおりにならないから。

相手が待ち合わせに遅れてきて腹が立つのも、

「自分は大事にされているはず」
「だから約束は守ってくれるはず」
「もうすぐ会えるはず」

という期待や思いがあればこそ。

それなのに相手がなかなか現れないと、

「私は大切にされていないのでは?」
「会えなくてさみしい」
「いっしょにいる時間が減ってしまう」
「もしかして何かあったのでは?」

など、不安やさみしさ、落胆、驚きなどの感情がわいてきます。

しかし、こうした感情は不快なものであるため、それらから逃れるために「怒り」に変えてしまいます。

怒りの度合いは、不快な感情の強さ、つまり期待の大きさに比例します。

怒りの根本にあるのは、思いどおりにならなくて「困ったな」という気持ち。

どんなに怒っても、本当の気持ちが伝わるわけではありません。

怒りに隠れた本当の感情と向き合って、それを素直に伝えるほうが、相手の心には響くでしょう。